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女性のための前例を増やすこと

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06 /18 2023
日本国際ポスター美術館所蔵 ポスター展2023
World Female Poster Designer Exhibition Sky-High to a Beautiful Worldに寄せて

女性のための前例を増やすこと
 この展覧会のタイトル Sky-High to a Beautiful Worldは、女性が「ガラスの天井」を打ち破り、自由に生きることができる、より平等な社会への夢を込めた。
 ここに展示しているポスターは、世界で今活躍している元気な女性デザイナーによるものばかりだ。鮮やかな色、力強いビジュアル、大胆な構成、明快なメッセージ。どれも私たちがうっすら持っている「女性らしい」という固定観念には当てはまらない、それを超えた作品たちだ。

 今世界中で取り組まれているSDGsの項目の中に「No.5 ジェンダー平等」がある。
人間の男女比は1:1だが、私の選んだ大学の学部や大学院の学生は女性が多数だった。しかし社会に出ると男性の割合が高くなった。これは日本の、私の周りのことだけのことなのかというと、いわゆる世界の美術史における登場人物もやはり男性がほとんどだ。(参考:以上グレーの文字は削られた部分)


 これまで日本国際ポスター美術館が所蔵してきたポスターの多くが男性デザイナーによるもので、女性デザイナーの割合は少ない。しかし世界のポスターコンクールを運営している人たちや、ビエンナーレなどの会場で出会うデザイナーには、いきいきと元気な女性がたくさんいる。そんな彼女たちの素敵なポスターがもっとあるはず、それらを見たい。というのがこの展覧会の始まりだった。
 そこで当館に関わりのある女性デザイナーに呼びかけ、さらに彼女達の推薦するデザイナーにネットワークを広げた。この大垣で世界の優秀な女性デザイナーたちの力強いビジュアルメッセージを紹介できることは、大変意義がある。
 今回の展覧会の趣旨に、彼女たちはみんな快く協力してくれた。自信に満ち、強く世の中に訴えかけ、問題を解決に導いていく彼女たちとそのポスター。これらを、特に日本のデザインを学ぶ若い女性たちに見て欲しい。これが前例のひとつになっていく。わざわざ「女性が」「女性の」などと言わずにすむ社会が理想だとすれば、まだゴールは遠いが、本当は見たかったもう半分の世界がここにある。
宮川友子
日本国際ポスター美術館ディレクター、岐阜市立女子短期大学 講師

To grow the precedents by women, for women
The title of this exhibition, “Sky-High to a Beautiful World” is the reflection of our yearning for a truly equal society where women have shattered glass ceiling and can soar to unlimited heights.
The exhibited posters are the recent creations by women designers who are thriving on the world stage. The vibrant colors, strong images, bold design, and clear messages shatter the old stereotypes one may have about women and redefine the concept of femininity.
The collection by Ogaki Poster Museum represented this dismal reality, and the works by men greatly outnumbered those by women. However, whenever I attend international poster biennials, I meet the women playing integral roles in front as designers and back as show runners. I begin to wonder and crave to see many more great posters by women I have yet to encounter. That urge was the driving force that birthed this event.
Therefore, we called on women designers who are related to the museum and further expanded our network to designers recommended by them. It is very meaningful to be able to introduce the strong visual messages of outstanding women designers from around the world here in Ogaki.
Our mission resonated; many women designers responded to our call. We want the young women who studies Japanese design to see the powerful visual messages of these confident, assertive women who are tackling and solving the problems, setting precedents, and paving the way. We want them to be inspired and go out to set precedents for future generations. All of us long for the day when women are represented in all walks of life and the labels such as “by women” become so prevalent and obsolete. Until then, let us shed light on the other half of the world that we always wanted to see.
Tomoko Miyagawa
Director, Ogaki Poster Museum, Japan
Full-time lecturer, Gifu City Women’s College

宣伝用1のコピー

宣伝用2のコピー

日本国際ポスター美術館:メールマガジン3月号

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04 /01 2023
この5月に行う予定の展覧会の準備があり、マガジンの送信が遅くなりました。
12回、1年でひとまず区切ります。
併せてこれまでのも全部読めるように掲載しました。さかのぼってください。

購読者の方へはアンケートをつけましたので、ぜひ!ご協力ください〜o(>_<)o!!
または、このブログだけでも一通り目を通してくださった方がいらしたら、ご協力くださると幸いです!!
↓ ↓ ↓
「世界の至宝 ポーランドポスター」アンケート https://forms.gle/CJTU2gscK6tU44zS8

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「Ogaki Matsuri Festival(大垣まつり)」(2017,72.8x103cm)
アグニエスカ・ジェミシェフスカ Agnieszka Ziemiszewska

日本国際ポスター美術館では、2016年にすでに1度「大垣まつり」をテーマに世界のデザイナーからポスターのデザインを募集し展覧会を終えていたが、これはその後2017年に同じテーマで再び募集をしたもののうちの1枚だ。日本という外国の、特定の知らない祭をテーマとしてポスターを募ること、ましてや2度もと心配していたが、多くの応募があってほっとしたのを覚えている。
世界でこのようにイベントのためにポスターを募るものとしては、ドイツのヨットのイベント、キールウィークが思い浮かぶ。毎年ポスターデザインが招待制で募集され、選ばれたものはポスターだけでなくグッズやお土産などにも使用される(注1)。
ジェミシェフスカは、この12回のメールマガジン「世界の至宝ポーランドポスター」のシリーズのうち、最も若くかつ女性である。ワルシャワにあるポーランド日本情報工科大学ニューメディア芸術学部の教授であり、ポスターに関する情報・魅力を世界に向けて発信する(注2)など、ポスター界を牽引するグラフィックデザイナーと言える。
普段からカラフルなグラフィックと大胆な構成でポスターを構成している。言葉の内容や、それらが街にあること、展覧会をキュレーションすることなどが彼女にとって重要のようだ(注3)。この「ogaki matsuri festival」と描かれたポスターも、美濃和紙にシルクスクリーンで刷られ、街を彩った。
彼女は私と面識が無いにも関わらず、ポスターコンテストの審査員の依頼をしてきたり、他のポスター展に声をかけてきたりして、刺激を受け、交流をしている。

注1:https://www.kieler-woche.de/de/service/design.php
注2:https://www.facebook.com/poster.org/
注3:https://ziemi.art.pl/

#12ウッチm

企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、岐阜市立女子短期大学講師)
*メールマガジンご希望の方は下記アドレスまで「メールマガジン希望」とご連絡ください。
poster.ogaki2022@gmail.com

日本国際ポスター美術館:メールマガジン2月号

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03 /01 2023
ピヨトール、ピョートル、表記の揺れがあってすみません。本当はどうやって書いたらいいかよくわかっていないです。特にルールとかもわからないので、自分より前に日本語で書かれた誰かの発音の表示を真似するしかないです。
ニュースなどで放送されて何度も発音を聞ける、などだったら修正もしていけるんですが、会う人ごとに発音を確認しても、カタカナにするのは難しいです。

さて、ピヨトールさんは、この人もすごいいい(好きな)作品を作る人という認識で、メルマガの2本めのヤン・ムウォドジェニェツさんの息子ということで、ポーランドのポスターデザイン界について想像を膨らませられる存在です。

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「Chopin w Plakacie(ポスターの中のショパン)」(2010、70x100cm)
Piotr Młodożeniec ピヨトール・ムウォドジェニェツ  (1956ー)

「ポスターの中のショパン」がテーマの展覧会ポスターである。ショパンはポーランド出身で、とても愛されている音楽家だ。ワルシャワ中心部のワジェンキ公園では、1年のうちサマータイムの期間、毎週日曜日には、無料のピアノコンサートが行われている。観光で日曜日に当たったらぜひ訪れてほしい。緑の深い、広い公園のショパン像の下にピアノが設置され、時間になるとどこからかたくさんの人がその周りを囲んで座り、演奏を待つ。しっとり落ち着いた感じのいい時間が過ごせる。
国内ではそれに限らず、さまざまな場所であらゆるショパンのコンサートが開かれ、デザイナーが個性を発揮してポスターを作る。それらを収集し、取り扱っているギャラリーの展示がこのポスターだ。ポスターのような矩形を、男(ショパン)が通り抜けた後のシルエットは、よりくっきりしている。
ピヨトールは、このメールマガジン第1回目の「広告塔百景」で紹介した、ワルシャワで私が初めて出会ったポスターの作者であり、第2回目に取り上げたヤン・ムウォドジェニェツの息子である。ワルシャワ美術アカデミーではトマシェフスキに師事した。わざと不恰好に描いたイラストや文字を使って、ポスターという空間にちりばめる。その形や構成が鮮やかで、彼の個性になっており、誰にもまねすることができない。ワルシャワ国際ポスタービエンナーレを訪れ、彼に会ったときは、小さな息子さんと一緒で、ふんわりやさしいお兄さんという感じだった。ゆっくり流れる時間を感じた。

#11ポズナンs

企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、岐阜市立女子短期大学講師)
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日本国際ポスター美術館:メールマガジン1月号

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02 /01 2023
ポンゴフスキさんは、デザイン活動も、その宣伝もがんばっている人で、FBを見てるとよく出てくるので顔を見る機会が多いです。ご自身の作風は長い期間をかけていろいろ変わっています。
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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「TANGO(タンゴ)」(2015、98×68cm)
アンジェイ・ポンゴフスキ Andrzej Pągowski(1953ー)

「タンゴ」は1964年にムロジェックという劇作家によって書かれた著名な演目である。このポスターは2015年、ワルシャワの北にあるオルシュティンという街の劇場で公演があった時のものだ。濃いベージュ色の背景に水色の文字で大きく“TANGO”とあり、手前の大きな4本のマッチ棒のイラストレーションが主役である。右下の文字列は監督、シナリオ、音楽、キャストなどの情報だ。
私は劇の内容を全く知らなかったので調べると、日本でも上演されたことがあるようだ(※1)。家族をモチーフにした不条理な悲喜劇で、“タンゴ”は劇の最後に出てくる重要な要素だが、物語の進行にはあまり関わってこない。
あらすじとしては、アルトゥールという1人の若い男性が主人公で、彼はルールを守って秩序のある家庭でありたいと願っているにもかかわらず他の家族がめちゃくちゃで、最後は婚約者にも裏切られ、彼はその浮気相手に殺されてしまう。それを元にこの絵を解読すると、寄り添っている2本の燃えガラは「他の家族」だろう。しかし真ん中で今まさに燃えている1本と、まだ燃えずに残っている1本の、どちらを主人公に例えるかは、この物語をどう捉えるかによる。
ポンゴフスキはポスナン国立高等美術学校で、このメールマガジンの第1回目のヴァルデマル・シヴィエジ氏に師事し、その後書籍や音楽、広告など、スタジオの仕事の傍ら画家としても活動を続けてきた。長い間に作風は様々に変わってきているが、多くのポスターでその描写力を生かした大人のいたずらや風刺のスパイスが強めに効いている。

注1 「TANGO」演出/長塚圭史、出演/森山未來ほか(2010、Bunkamuraシアターコクーン)
Andrzej Pągowski https://pagowski.pl/

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企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、岐阜市立女子短期大学講師)
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日本国際ポスター美術館:メールマガジン12月号

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01 /01 2023
バトリさんは、挨拶をしたことはあるけど、その雰囲気は「精力的」といった感じだった。ポスターの絵も他のお仕事もみんな鮮やかですてき(語彙)。検索してみてね。
そしていつかポスター美術館にも見に来てね。

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「Summer Jazz Academy(サマージャズアカデミー)」(2016、120x180cm)
ミハル・バトリ Michal Batory(1959ー)

2012年のワルシャワ国際ポスタービエンナーレで、何種類かのビエンナーレ自体の告知ポスターのうちの1枚として、バトリのものがあった。それは、中心から外側へ向かってくるくると、何かが渦を巻いているもので、よく見ると、それは丸めた数十枚のポスターの束を真上から撮った写真だった。紫色のモノトーンの写真で、他のポスターと比べると、とてもシンプルで地味なようにも見えた。(広告塔百景参照)

ミハル・バトリはワルシャワから近いウッチ(Lodz)という街で生まれ育ち、ウッチの美術アカデミーを卒業し、パリに移住後も、ポーランドの劇場や出版社との仕事を多く行っている。
今回の「サマージャズアカデミー」はウッチ市で毎年行われているジャズイベントのポスターだ。ジャズには欠かせないサックスが傘の柄の形と重なっており青い空に浮かんでいる。「雨が降っても大丈夫」のような楽観的な印象を受ける。

たまたま2012年にはウッチも訪れたが、とても古いトラムやホテルのレトロ調のエレベーター、工場跡地にできた新しい商業施設(Manufaktura)や若者との出会いなど、新旧が交錯するいきいきとした印象の都市だった。

彼は初期からこれまでほぼ同じ画面構成を貫いている。それは画面の中心に写真のモンタージュが主役となるように配置し、それを引き立てるような全体の色彩計画と文字の配置だ。それぞれアイデアも色彩も鮮やかで、静かなのに饒舌な画面となっていて、見ていて飽きない。特に最近のものほど色彩がきれいで、フランス人のようにも感じられる。

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企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、岐阜市立女子短期大学講師)
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日本国際ポスター美術館:メールマガジン11月号

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12 /01 2022
ロソハさんも「この人の」ってわかりやすい作風が確立されてる人ですね。ポスターだけみると、なんか鋭い怖そうな人かな、とおもっちゃうけど、めっちゃふんわりやさしい人でした。

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「ヘンリク・トマシェフスキ個展(Henryk Tomaszewski)」(1999, 98x68cm)
ヴィエスワフ・ロソハ Wiesław Rosocha (1945-2020)

ロソハのポスターの特徴は黒い闇に溶ける人物だ。横顔のシルエットをモチーフにする場合も多く、切り取られたような、「図」と「地」がどちらかわからなくなりそうな組み合わせがシュールレアリスム的なのだが、このポスターではその特徴を抑え、闇というよりは光を描いている。1999年に描かれたこのポスターはポーランドポスターの父であり世界中の多くのデザイナーに尊敬されているヘンリク・トマシェフスキの個展の告知だ。母校ワルシャワ美術アカデミーの恩師でもある。
トマシェフスキのくっきりと澄んだ瞳や、わざとかというほどふさふさ描かれている太い眉毛、また肌の見えている部分は外見的特徴をよくとらえている。それでも黒縁メガネで空間を上下に区切っている所や、スキンヘッドの頭の形を避けて光線が描かれている所、右下の肩あたりには闇がのぞいている所は、やはり一目で彼の作品とわかる表現である。
日本でもとても評価されており、様々な賞をとったり展覧会に参加したりしていた。ワルシャワ国際ポスタービエンナーレのオープニングで会った時は、多くのデザイナーにまぎれ、ふらりと立っており、話しかけると気さくに撮影に応じてくれ、優しい柔らかい人という印象だ。

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企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
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日本国際ポスター美術館:メールマガジン10月号

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11 /01 2022
オルビンスキさんは、絵がうますぎて、もう完成してるというか、絵本とかにありそう(実際本の表紙などたくさん手掛けてる)で、ものすごくこの人っていうのがわかりやすい。

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「Rafal Olbinski(ラファル・オルビンスキ個展)」(2006, 72.8x103cm)
ラファル・オルビンスキ Rafal Olbinski(1943-)

2006年に最初のワルシャワに行った時に感動したのは、知っている作家のポスターが本当に広告塔に貼られていたことだ。その1人がラファル・オルビンスキである。その数ヶ月後、第6回大垣国際招待ポスター展にそのポスターが送られてきて再会した。
オルビンスキは1981年に渡米後、ポスターだけでなく雑誌の表紙など数多くの仕事をしている。彼のイラストレーションポスターは、明らかに他のポーランドデザイナーと一線を画しているので、すぐにわかった。調べると、ゴヤやボッティチェリにインスピレーションを受け・・・、などとある(注1)が、やはり不思議な空間や組み合わせはマグリットを連想させる。ただ彼のモチーフはシュールレアリスムのような不安感はなく、どちらかというと絵本のような親しみを抱かせるモチーフが多い。
このポスターは遠くから見ると、薄暗い空間の中で天使の羽が生えているヌードの女性に光が当たっているように見える。しかし近寄ると、実は羽は石膏のような白い手で、無理やり前に押し出されているように見えるし、女性は顔と下腹部を手で隠しているという少し不穏な印象に変わる。
文字の自動翻訳を試すと「美徳とその解釈について」、「古い価値観への新たな憧れ」という言葉を読み取れた。また訪れていた期間中に旧市街の近くにある「エリク・リピンスキ風刺画博物館(注2)」で彼の個展があったようだ。行けたらよかった。
場所を覚えていたので同じ広告塔をストリートビューで見てみたら、2018年にはKFCのポスターが貼られていた(注3)。

注1:https://patinaeintl.com/rafal-olbinski/ より
注2:https://www.muzeumkarykatury.pl/index.php/en/
注3:https://goo.gl/maps/QHCVzgvHvywRXkbq9

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企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
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日本国際ポスター美術館:メールマガジン9月号

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10 /01 2022
マエフスキさんは、鮮やかでかわいいポップなポスターを作る人で、スイスのポスタージャーナリストRene Wannerさんが生きていらした時から目をつけていた。ワルシャワ美術アカデミーの先生だそうで、活動が間近で見られるなんて生徒がうらやましい^^

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「7th International Biennale of Theatre Poster(第7回国際演劇ポスタービエンナーレ)」(1999、67 x 98 cm)
レフ・マイェフスキ Lech Majewski (1947ー )

このポスターは、ポーランド南東部、ジェシュフという都市の、とある劇場が主催する「国際演劇ポスタービエンナーレ」のポスター、第7回(1999年)のものだ。さまざまな国の演劇ポスターが個性を競う展覧会である。
マイェフスキ氏は、私が3度ワルシャワ国際ポスタービエンナーレのオープニングに参加した時にいつも会えたので印象深い。大きくて明るくまっすぐな印象。いつでも、気軽にいい笑顔で写真に写ってくれた。そうやってビエンナーレの主催者はもちろん、審査員、ワルシャワ美術アカデミーの教授など大活躍である。2012年には、同じアカデミーの教員のブシェヴィッチ氏、ワシレフスキ氏との3人展と、カフェでの個展もあって、たくさん作品を見ることができた。
彼の近年の作風は「切り絵」調でかわいい。素朴でシンプルな形で個性的な絵や文字を作り、フレークをパラパラと撒いたようにレイアウト(構成)し、色は鮮やかでカラフル。Facebookではいつも新しい作品がどんどん増えていく。
しかしそんな彼も1990年代まではいわゆる「ポーランドらしい」手描きの描写を生かしたポスターを作っていた。その時代の作品は色もモノトーンで渋い感じのものが多い。90年代の後半になると、ガラッと今のような作風に変えていったのは、デザインをとりまく技術や環境と深く関わっていると思われる。それはポーランドのデザインをリードする彼だけでなく、ポーランドポスター全般が同様に様式を変えていった。彼はそれをまさに体現しているように見える。

広告塔#6_9月

企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
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日本国際ポスター美術館:メールマガジン8月号

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09 /01 2022
グロフスキさんも、ポーランドポスターを調べると必ず出てくる人です。私にとってはこのポスター美術館のポスターがやはり一番印象深い。
普通の日本人からすると「なんだこの奇妙な見たことない文脈のポスター?は!」ってなるよねー。

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「Ogaki Poster Museum, JAPAN(日本国際ポスター美術館)」(1996, 728x1030cm)
ミェチスワフ・グロフスキ Mieczysław Górowski(1941-2011)

日本国際ポスター美術館がオープンした頃、私は大学生だった。学校へシルクスクリーンなどでプリントされた大きなB1サイズの展覧会告知ポスターが度々送られてきており、壁に貼られるのを楽しみにしていた。
その頃美術館ではボランティアスタッフを募集していて、デザインの先生に「行ってみたらどうか」と勧められたのが交流の始まりだった。スタッフとして通い始め、「日々目にする広告」などと全く文法の違う世界のポスターアートに数多く触れるうちに、「世の中にはこんなにも違う世界観がある」ということをゆっくり飲み込んでいった。中でもポーランドのポスターは独特で異様だった。グロテスクで痛そうな、けれど幻想的でファンタジーのような、その描写。
グロフスキによる日本国際ポスター美術館のオープニングのポスターは、ディレクターとして関わっていた松浦曻先生の依頼によって実現した。B5サイズぐらいの原画が3枚ほど郵送されてきて、その中から1枚を選び、B1サイズに引き伸ばしたと聞いている。
絵は不透明な絵具を厚く塗り重ねてあり、ガーゼのようなマチエール(素材感)が暖かい印象だ。「O」の形の穴の中から男性の顔がちょっとだけのぞいており、手に持つ蓋(?)に、顔のような、パレットのような穴が開いている。ポーランドの独特な雰囲気は残っているが表情などは明るく、いたずらっぽい印象を受ける。
これが日本の大垣のポスター美術館のポスターか、というと、私の中ではぴったり来ない印象なのだが、その違和感がとてもゆるくて、それがまた豊かで大好きなポスターだ。

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企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、大垣女子短期大学講師)
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日本国際ポスター美術館:メールマガジン7月号

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08 /01 2022
行ったこの時はあんま面識のないデザイナーだったんだけど、後に何回もビエンナーレな度で顔を合わすことで顔を覚えたピョートルさん。大きくてやさしい感じ。独特な、特徴のある名作ポスターを作られますね。

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7月号 Piotr Kunce

*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「Annual Academy of Fine Arts Exhibition(美術アカデミー年度末展)」(2008, 70x100cm)
ピョートル・クンツェPiotr Kunce(1947-)

私は2008年6月9日にクラクフで、この大きなポスターが広告塔に貼ってあるのを見た。見た瞬間、迫力に圧倒されて、切り抜かれた穴から覗く大きくて近寄った目の大胆なレイアウトにドキッとした。近づくと「Piotr Kunce」と右下にサインがあり、日本国際ポスター美術館で見たことがある作家のものだとわかった。
ポスターの内容は「クラクフ美術アカデミー年度末展」で、上部の白い文字は日付と卒展や建築やインテリア、グラフィック、美術、彫刻などのコースと場所が告知されている。クンツェは数年前までここの教授で、自身もここで学んだ(注1)。
彼のポスターの特徴は写真を使った大胆なモンタージュである。彼の好む不条理な世界観を、モチーフを大きく扱い表現している。ポスター展をめぐる旅の中で、私は数回、彼と顔を合わせたことがある。彼は大柄で好奇心にあふれ、ふわっとやさしい印象だった。当館の展覧会にも積極的に参加してくれていて、大変ありがたいことだと思っている。
当時は、旅先でポーランド語を調べようがなかった。前日までにここにたどり着き、意味が分かっていたら、この展覧会を見ていたかもしれない。少し悔しい。
注1:http://piotrkunce.eurotone.eu/ より

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企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、大垣女子短期大学講師)
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Tomoko Miyagawa

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