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日本国際ポスター美術館:メールマガジン6月号

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07 /01 2022
この号のサーカスのポスターは本当にいろんなところで見るめっちゃ有名な名作なのですが、それが大垣にあるってことが本当にすごい大変なことなのですよ。
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maciej_urbaniec_s.jpg

*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「CYRK(サーカス)」(1970,97.5x67cm)
マチェイ・ウルバニェツ Urbaniec、Maciej(1925-2004)

このポスターは2000年に当館で「ポスター王国・ポーランド展」が行われた時送られて来たポスターの中で、最も古いもののうちの1枚だ。とてもロマンがある。私は展示作業に携わった。紙は薄く少し黄ばんでよれていたが、インクは鮮やかで何より絵のインパクトがすごかった。作者はこんなに古く貴重なものを、遠い国の小さな美術館に預けてしまっていいのだろうか、と不思議な気持ちになった。
おなじみのモナリザのパロディである、すました上半身の後ろには、180度持ち上がった下半身があぐらを組んでおり、愉快な対比となっている。その中心人物は小さく小ぢんまりと配置されていて、広めの背景があり、上部の緞帳に丸くかわいい字で「CYRK(サーカス)」とある。
WAG(美術グラフィック出版社)と呼ばれた国の組織があらゆる著名なデザイナーにサーカスのポスターを依頼した。その中でウルバニェツは絵画的な手法を活かしてユーモアにあふれたこの作品を作った。
ポーランドに外国の資本が入ってくるようになると国がサーカスという興行に支援をしなくなり、こういった一連のシリーズは姿を消した(注1)。

注1:http://www.circopedia.org/The_Polish_%22Cyrk%22_Posters より

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企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、大垣女子短期大学講師)
*メールマガジンご希望の方は下記アドレスまで「メールマガジン希望」とご連絡ください。
poster.ogaki2022@gmail.com

Tomoko Miyagawa

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