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日本国際ポスター美術館:メールマガジン10月号

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11 /01 2022
オルビンスキさんは、絵がうますぎて、もう完成してるというか、絵本とかにありそう(実際本の表紙などたくさん手掛けてる)で、ものすごくこの人っていうのがわかりやすい。

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「Rafal Olbinski(ラファル・オルビンスキ個展)」(2006, 72.8x103cm)
ラファル・オルビンスキ Rafal Olbinski(1943-)

2006年に最初のワルシャワに行った時に感動したのは、知っている作家のポスターが本当に広告塔に貼られていたことだ。その1人がラファル・オルビンスキである。その数ヶ月後、第6回大垣国際招待ポスター展にそのポスターが送られてきて再会した。
オルビンスキは1981年に渡米後、ポスターだけでなく雑誌の表紙など数多くの仕事をしている。彼のイラストレーションポスターは、明らかに他のポーランドデザイナーと一線を画しているので、すぐにわかった。調べると、ゴヤやボッティチェリにインスピレーションを受け・・・、などとある(注1)が、やはり不思議な空間や組み合わせはマグリットを連想させる。ただ彼のモチーフはシュールレアリスムのような不安感はなく、どちらかというと絵本のような親しみを抱かせるモチーフが多い。
このポスターは遠くから見ると、薄暗い空間の中で天使の羽が生えているヌードの女性に光が当たっているように見える。しかし近寄ると、実は羽は石膏のような白い手で、無理やり前に押し出されているように見えるし、女性は顔と下腹部を手で隠しているという少し不穏な印象に変わる。
文字の自動翻訳を試すと「美徳とその解釈について」、「古い価値観への新たな憧れ」という言葉を読み取れた。また訪れていた期間中に旧市街の近くにある「エリク・リピンスキ風刺画博物館(注2)」で彼の個展があったようだ。行けたらよかった。
場所を覚えていたので同じ広告塔をストリートビューで見てみたら、2018年にはKFCのポスターが貼られていた(注3)。

注1:https://patinaeintl.com/rafal-olbinski/ より
注2:https://www.muzeumkarykatury.pl/index.php/en/
注3:https://goo.gl/maps/QHCVzgvHvywRXkbq9

広告塔#7_10月

企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、岐阜市立女子短期大学講師)
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poster.ogaki2022@gmail.com

Tomoko Miyagawa

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