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日本国際ポスター美術館:メールマガジン8月号

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09 /01 2022
グロフスキさんも、ポーランドポスターを調べると必ず出てくる人です。私にとってはこのポスター美術館のポスターがやはり一番印象深い。
普通の日本人からすると「なんだこの奇妙な見たことない文脈のポスター?は!」ってなるよねー。

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「Ogaki Poster Museum, JAPAN(日本国際ポスター美術館)」(1996, 728x1030cm)
ミェチスワフ・グロフスキ Mieczysław Górowski(1941-2011)

日本国際ポスター美術館がオープンした頃、私は大学生だった。学校へシルクスクリーンなどでプリントされた大きなB1サイズの展覧会告知ポスターが度々送られてきており、壁に貼られるのを楽しみにしていた。
その頃美術館ではボランティアスタッフを募集していて、デザインの先生に「行ってみたらどうか」と勧められたのが交流の始まりだった。スタッフとして通い始め、「日々目にする広告」などと全く文法の違う世界のポスターアートに数多く触れるうちに、「世の中にはこんなにも違う世界観がある」ということをゆっくり飲み込んでいった。中でもポーランドのポスターは独特で異様だった。グロテスクで痛そうな、けれど幻想的でファンタジーのような、その描写。
グロフスキによる日本国際ポスター美術館のオープニングのポスターは、ディレクターとして関わっていた松浦曻先生の依頼によって実現した。B5サイズぐらいの原画が3枚ほど郵送されてきて、その中から1枚を選び、B1サイズに引き伸ばしたと聞いている。
絵は不透明な絵具を厚く塗り重ねてあり、ガーゼのようなマチエール(素材感)が暖かい印象だ。「O」の形の穴の中から男性の顔がちょっとだけのぞいており、手に持つ蓋(?)に、顔のような、パレットのような穴が開いている。ポーランドの独特な雰囲気は残っているが表情などは明るく、いたずらっぽい印象を受ける。
これが日本の大垣のポスター美術館のポスターか、というと、私の中ではぴったり来ない印象なのだが、その違和感がとてもゆるくて、それがまた豊かで大好きなポスターだ。

広告塔百景5_500px

企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、大垣女子短期大学講師)
*メールマガジンご希望の方は下記アドレスまで「メールマガジン希望」とご連絡ください。
poster.ogaki2022@gmail.com

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Tomoko Miyagawa

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