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日本国際ポスター美術館:メールマガジン11月号

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12 /01 2022
ロソハさんも「この人の」ってわかりやすい作風が確立されてる人ですね。ポスターだけみると、なんか鋭い怖そうな人かな、とおもっちゃうけど、めっちゃふんわりやさしい人でした。

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*画像提供:日本国際ポスター美術館
*Image courtesy: Ogaki Poster Museum, Japan


「ヘンリク・トマシェフスキ個展(Henryk Tomaszewski)」(1999, 98x68cm)
ヴィエスワフ・ロソハ Wiesław Rosocha (1945-2020)

ロソハのポスターの特徴は黒い闇に溶ける人物だ。横顔のシルエットをモチーフにする場合も多く、切り取られたような、「図」と「地」がどちらかわからなくなりそうな組み合わせがシュールレアリスム的なのだが、このポスターではその特徴を抑え、闇というよりは光を描いている。1999年に描かれたこのポスターはポーランドポスターの父であり世界中の多くのデザイナーに尊敬されているヘンリク・トマシェフスキの個展の告知だ。母校ワルシャワ美術アカデミーの恩師でもある。
トマシェフスキのくっきりと澄んだ瞳や、わざとかというほどふさふさ描かれている太い眉毛、また肌の見えている部分は外見的特徴をよくとらえている。それでも黒縁メガネで空間を上下に区切っている所や、スキンヘッドの頭の形を避けて光線が描かれている所、右下の肩あたりには闇がのぞいている所は、やはり一目で彼の作品とわかる表現である。
日本でもとても評価されており、様々な賞をとったり展覧会に参加したりしていた。ワルシャワ国際ポスタービエンナーレのオープニングで会った時は、多くのデザイナーにまぎれ、ふらりと立っており、話しかけると気さくに撮影に応じてくれ、優しい柔らかい人という印象だ。

広告塔#8_11月500px

企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、岐阜市立女子短期大学講師)
*メールマガジンご希望の方は下記アドレスまで「メールマガジン希望」とご連絡ください。
poster.ogaki2022@gmail.com

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Tomoko Miyagawa

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